けんちゃんとお腹の中のお友達~どうぶつ飼育はお薦め?~

2018.04.22

前回のコラムでは、身近にどうぶつさんがいるかいないかで、人の腸内細菌に違いが出そうだということが分かりました。今回は身近にどうぶつさんがいることが、赤ちゃんの健康にどのような影響をもたらすのかを調査してみました。


どうぶつさんとの共生が影響?

ここで、前回の復習です。生後一ヶ月の赤ちゃんの腸内フローラの調査結果は、ビフィズス菌を持っているグループと、ビフィズス菌を持っていないグループに分かれました。


詳しく調べてみると、なんとビフィズス菌を持っているグループの赤ちゃんはどうぶつさんが身近にいる家庭であることがことがわかりました。


やはりどうぶつさんとの共生は赤ちゃんにとって良いものなんでしょうか? 教えて立川先生!


Dr.立川による解説!~どうぶつさんとの共生を推奨する論文をご紹介~

私自身、わんちゃんと生活している立川です。最近、メディア等でも話題になっていますが、腸内フローラは腸内の免疫細胞に働きかけることで、全身の免疫に大きく影響していると言われています。


つまり、どうぶつさんと共生することは、赤ちゃんや子ども達の腸内細菌に良い影響を与え、全身の免疫機能の向上・改善につながると言えます。実際にどうぶつさんとの共生が過剰な免疫反応であるアレルギーの発症や喘息の発症を抑えることに繋がるという研究結果も報告されています。


そこで、今回はいくつか論文や研究をご紹介します。


事例①乳児期にどうぶつさんと暮らすと喘息になりにくい

まずはじめに、どうぶつさんと触れ合うことが子どもの喘息リスクを低下させるという論文をご紹介します。


北欧では、6~12歳の小児のうち4~9%が小児喘息と診断されています。そこで、子ども達が1歳までにどうぶつさんと接触することで、将来的にどのように喘息発症リスクが変化するか調べました。


小学校に上がる前の子ども達のうち、生後1年間でわんちゃんと接触があった子は3歳以降に喘息発症リスクの低下が見られました。また、生後1年間で牛さん、豚さん、羊さんなど農場どうぶつとの接触があった子は、喘息発症リスクの低下が見られました。


喘息発症には遺伝的な要素も影響しますが、この結果は親が喘息だったか否かに関わらず見られたため、どうぶつさんとの接触が影響したのではないかと考えられます。


【参考文献】
「Early Exposure to Dogs and Farm Animals and the Risk of Childhood Asthma」
JAMA Pediatr. 2015 Nov;169(11):e15321.DOI: 10.1001/jamapediatrics.2015.3219. Epub 2015 Nov 2.


事例②赤ちゃんはどうぶつの毛皮の上で寝かすと良い!?

次は多種多様な微生物を持っているどうぶつさんの毛皮に赤ちゃんを寝かせることで、赤ちゃんの喘息を予防できるのでは?!という面白い論文をご紹介します。


ドイツ都市部に住む健常な新生児約2,400人を対象に、子ども達が10歳までの期間で実施された調査では 生後3カ月間どうぶつさんの毛皮の上で寝ていた子ども達(全体の子ども達のうち55%)は、そうでない子ども達に比べて10歳までに喘息になる可能性が低い傾向が見られました。


この結果から、どうぶつさんの毛皮の上で眠ることは、子ども達の喘息を発症する可能性を低下させることが示されました。


生ているどうぶつさんではなくても、多種多様な生物との共生が赤ちゃんの健康にとっては大事なようですね。


【参考文献】
「Sleeping on animal fur is related to asthma outcomes in later childhood」
Christina Tischer, Marie Standl, Irina Lehmann, Beate Schaaf, Andrea von Berg, Joachim Heinrich European Respiratory Journal 2015 46: 107-114; DOI: 10.1183/09031936.00204914


事例③農場に遊びに行く赤ちゃんは

最後は農家の子ども達はアレルギーの発症率が低い!その理由に迫った研究をご紹介します。


オーストリアのザルツブルグ大学で行われた子ども達のアレルギー調査では、農家の子ども達とその他の子ども達とを比較すると花粉症の発症率が農家の子ども達はその他の子ども達に比べて3分の1ほど低い結果になりました。


またミュンヘン大学で子ども達の就寝時のマットレスを調査すると、アレルギーを持っていない子のマットレスにはどうぶつさんの糞に多く含まれているエンドトキシンという物質が多く発見され1歳までにこの物質に多く触れた子ども達は、触れていない子どもたちに比べ、アレルギーの発症率は4分の1程であるという結果でした。


この結果から、エンドトキシンに赤ちゃんの頃から触れることで、細菌に対する免疫機能が高まり、アレルギーの発症しにくい体質になると考えられます。


※エンドトキシン:細菌の細胞壁に含まれる物質


またこの実験では、親戚の牧場へよく遊びに行く子でも、農家の子ども達と同様の結果がみられたので、もし身近にどうぶつさんがいなくても動物園のふれあい広場や、牧場に遊びに行くのも良いかもしれませんね。


2008年11月23日(日) 放送 「NHKスペシャル病の起源 第6集 アレルギー ~2億年目の免疫異変~ 」




やはりどうぶつさんと一緒に生活することは、多種多様な微生物との出会いとなり、結果として腸内フローラを良好に保ち、アレルギーや喘息の抑制にも繋がるようです。ワンちゃんも小さい子もいる私としては、とても嬉しい発見となりました。


次回もお楽しみに!


記事:佐藤詩織(アニコムママ社員)、豊田真紀(アニコムママ社員)、宮本亮太朗(けんちゃんパパ、アニコムパパ社員)、立川亜理沙(医師)


監修:医師・医学博士 星旦二


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