ラッコ ~ゆらゆら、ぷかぷか。ポケットの石はたからもの~

2017.04.07

ぷかぷか浮かぶ海の愛嬌もの

仰向けで水の上をゆらゆら漂う姿がなんとも愛らしいラッコ。主に、北太平洋のアリューシャン列島、アラスカ、カリフォルニア沿岸に生息しています。冬場は水温0度、気温はマイナス数十度まで下がる厳しい環境です。厚い皮下脂肪を蓄えているわけではないラッコが、なぜそんな環境下で生きられるのでしょうか。


それは高密度な「毛」に覆われているからなのです。その量は、1㎤あたり10~14 万本、身体全体で8~10 億本といわれており、ミンクの4倍にあたるそうです。ラッコはこの毛の間に空気を蓄えて保温層を作り防寒しているのです。また、ラッコは1日に自身の体重の約20~30%ものごはんを食べる大食漢です。なのに脂肪が少ないのは、食事で得たエネルギーのほとんどが、体温を保つために消費されてしまうからなのです。


道具にこだわる職人肌?

ラッコの身体には秘密のポケットがあるのをご存知ですか。それはわき腹のあたりの、だぶついた皮膚で、食べ切れなかった貝類などを入れているそうです。食べ物だけではありません。ラッコは貝類などを胸の上に置いて石で割って食べる習性がありますが、この石をポケットにしまっているのです。個体によってこだわりがあり、お気に入りの石に出会ったら、ポケットにしまって繰り返し使うそうです。


海の上にぷかぷか浮かびながら一生のほとんどを過ごすラッコは、当然のことながら寝るときも海の上です。「波に流されてしまうのでは?」と心配になりますよね。でも、心配無用。ラッコは昆布などの海藻を身体にグルグル巻きつけて眠るのです。海藻のない水族館などでは、仲間と手をつないで眠るそうです。


絶滅危惧種に指定されているラッコ。いつまでもその愛くるしい姿を見られるよう、見守っていきたいですね。


【ラッコ】
Enhydra lutris ネコ目 イタチ科 ラッコ属
海に住む最も小型の哺乳類。日本では択捉島東部、千島列島に生息している。
18 世紀以降、上質な毛皮採集が目的で乱獲され、20 世紀初頭には絶滅寸前に。
環境省の絶滅危惧種に指定されている。

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