けんちゃんとお腹の中のお友達~細菌はどこから来るの?~

2017.12.22

世の中はすっかりクリスマスムード一色! ツリーの飾りつけにイルミネーション、豪華な食事、プレゼント…考えただけでわくわくしますね。


プレゼントと言えば、けんちゃんをはじめとする赤ちゃんにとって、成長に必要な物質がたくさん含まれた母乳はお母さんからの最初のプレゼントだと言われています。


その中には、実は「細菌」も含まれていることが近年の研究でわかってきました。えっ、母乳の中に細菌!?



Dr.立川による解説!~母乳中にも細菌はいた!!~

長い間、感染症の場合以外、健康な時の母乳は無菌だと思われてきました。ところが数々の研究から、母乳中には数百の細菌がいて「母乳フローラ」を形成していることが明らかになってきました(※1)。


これらの細菌は病気を引き起こすのではなく、感染症への対抗力やアレルギーを避けるなど、正常な免疫システムを赤ちゃんが身に着けるための情報を教え、健康な成長を手助けしてくれるらしいのです。母乳の中にはオリゴ糖がたくさん含まれますが、これは赤ちゃん自身ではなく、細菌たちの栄養になります。それだけ細菌たちが赤ちゃんにとって重要なんですね!?


※1
・The human milk microbiome changes over lactation and is shaped by maternal weight and mode of delivery1 (Raul Cabrera-Rubio, M Carmen Collado, Kirsi Laitinen, Seppo Salminen, Erika Isolauri, and Alex Miraら、American Journal of Clinical Nutrition ,2012)

・Human milk: A source of more life than we imagine(P.V. Jeurink1,2, J. van Bergenhenegouwen1,2, E. Jiménez3, L.M.J. Knippels1,2, L. Fernández3, J. Garssen1,2, J. Knol1,4, J.M. Rodríguez3 and R. Martín, 2012)



細菌パワーおそるべし。なんだか、これまでの常識がどんどん覆っていきますね。


今回の調査には、けんちゃんより少し小さいお友達、りょうくん(2017年3月2日生まれ)とママに協力してもらいました! このような調査を行う際は、参加してくださる方が多いほうが、もっといろいろなことがわかるのです。りょうくんの腸内細菌と、生後1日目からおよそ1ヶ月間のママの母乳を調べてみました。


結果、なんと生後1日の1回目に採取した初乳(出産直後から数日間出る母乳のこと)が一番細菌が多いということがわかりました! 何かゴミが入ってしまったのでしょうか? あるいは、お母さんからの最初のプレゼント?



母乳フローラの内容

もう少し細かく見てみましょう。これは、りょうくんママの母乳フローラです。


冒頭でもお伝えした通り、乳酸菌が含まれるラクトバチルス属や、ビフィズス菌が含まれるビフィドバクテリウム属などの腸内細菌のごはんには、オリゴ糖が欠かせません。これらの腸内細菌は酪酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸を産生し、他の有害な細菌の増殖を抑制すると言われています(※2)。


ラクトバチルス属が含まれるファーミキューテス門は、初乳には少ないものの、2回目以降は腸内フローラの中でも多く見受けられます。一方、ビフィドバクテリウム属が含まれるアクチノバクテリア門は、初乳が一番多く、その後徐々に減っているのが見受けられます。


※2 『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』 アランナ・コリン著 矢野 真千子訳 河出書房新社 p242ほか



りょうくんの腸内フローラ

一方で、りょうくんの腸内フローラは、ファーミキューテス門は日によってばらつきがあるものの、アクチノバクテリア門は2日目から徐々に登場してきているのがわかります。生後1ヶ月までのお腹の中では、どの菌が定着するのか、充分にはわかっていません。


ここでもうひとつ論文をご紹介しましょう。乳児27名の生後1ヶ月目の腸内フローラを調べた研究によると、生後1ヶ月目の腸内フローラは、アクチノバクテリア門が優勢のグループとプロテオバクテリア門が優勢のふたつのグループに分類できるそうです(※3)。


このグラフによると、りょうくんは…果たしてどちらでしょうか。


※3 A key genetic factor for fucosyllactose utilization affects infant gut microbiota development(Takahiro Matsuki, Kana Yahagi, Hiroshi Mori, Hoshitaka Matsumoto, Taeko Hara, Saya Tajima, Eishin Ogawa, Hiroko Kodama, Kazuya Yamamoto, Takuji Yamada, Satoshi Matsumoto, & Ken Kurokawa、Nature Communications ,2016)


最後に、ミルクについて

※アニコム社員のご家族、りょうくん


今回は、母乳と赤ちゃんの腸内フローラについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?


最後に、今育児でがんばっているお母さんたちにお伝えしたいこと。無理に母乳にこだわる必要はありません。今はミルクもたくさんの研究に基づいて作られているので、今日ご紹介したような細菌の研究ももちろん各社でなされています。お母さんの健康が一番です。赤ちゃんとのひとときを大切にこの冬もお元気でお過ごしください。


次回は、1/22(月)です。お楽しみに!


記事:豊田真紀(アニコムママ社員)、宮本亮太朗(けんちゃんパパ、アニコムパパ社員)、立川亜理沙(医師)
監修:医師・医学博士 星旦二



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