by 編集部 2026.09.15
夏休み真っ只中の8月12日・13日、JARVISどうぶつ医療センター Tokyoで、小学生を対象とした「JARVIS Tokyo夏休み子ども獣医師体験」が開催されました。
楽しみながら獣医療について学び、獣医師や獣医療への関心を深めてもらおうと企画された今回のイベントには、定員を大きく上回る応募が。12日は小学校高学年、13日は低学年の子どもたちが白衣に袖を通し、診察や検査、調剤など、さまざまな獣医師のお仕事を体験。手術支援ロボットの操作にも挑戦しました。
子どもたちは、初めて触れる獣医療の世界で何を感じたのでしょうか。当日の様子をレポートします!
白衣に着替えて、こども獣医師に変身!
受付を済ませた子どもたちは、まずは名札を作り、白衣にお着替え。オリエンテーションでは、「獣医師とはどんな仕事なのか?」という説明を受けました。
準備が整ったら、5つのグループに分かれて、いよいよ6つの体験へ出発です!
聴診器を使って「診察」に挑戦!
最初に挑戦したのは、聴診器を使った模擬診察です。 言葉を話せないどうぶつの診察では、体から発せられるさまざまなサインを読み取ることが大切。獣医師に聴診器の使い方を教わり、さっそく心臓の音を聞いてみます。
胸や背中など、場所を変えながら耳を澄ませる子どもたち。心臓の音をしっかり聞くのも思ったほど簡単ではなく、「難しい!」という声もあがります。
続いて、糞便検査についても学びます。獣医師が検体の写真を見せながら、うんちを調べることでどんなことがわかるのかを説明しました。
体の中はどう見える?エコー検査を体験
続いては、超音波を使って体の中を見る「エコー検査」です。
まずは、「どういう仕組みになっているの?」という子どもたちの疑問に、獣医師が「やまびこ」にたとえながら、超音波が反射する仕組みを説明します。
仕組みを学んだら、ダミーの人形を使って実践。機器を当てる位置や角度を調整しながら、モニターに映る画像を確認していきます。
獣医師によると、エコー検査では普段と違う部分を画像から見つけることも大切で、「間違い探し」に似ているところもあるのだとか。
機器の当て方にもコツが必要ですが、子どもたちはすぐに感覚をつかみ、獣医師も驚くほど上手に操作していました。
お口の中には何がいる?歯科診療を体験
続いて向かったのは、同じビル内にあるヒト向けの歯科診療エリアです。
人とどうぶつの間では、歯周病に関連する細菌が感染する可能性も指摘されています。そのため、どうぶつのお口だけでなく、一緒に暮らす人のお口を健康に保つことも大切です。
まずは「MILKIN」という機器を使って、自分の口の中にいる菌を観察。歯ブラシで歯をこすり、採取したものを機器にセットすると、スマートフォンの画面に菌の様子が映し出されます。
続いて体験したのは、お口の中の3Dスキャン。専用の機器で歯を読み取っていくと、歯並びや口の中の様子が立体的な画像になって画面に現れます。
自分の口の中を見られて、ちょっぴり恥ずかしそうな子も。
人とどうぶつ、どちらにとっても大切なお口の健康について学びました。
もしものとき、命を救うために。救急対応を体験
続いては、ぬいぐるみを使った救急対応です。
どうぶつにもしものことがあったとき、動物病院へ到着するまでの時間にできることがあります。今回は、心臓が止まってしまった場合を想定し、心臓マッサージの方法を教わりました。
まずは心臓の位置や手の当て方を確認。目安は1分間に120回。曲に合わせて、一定のテンポを意識しながら、実際に2分間の心臓マッサージに挑戦します。
続けてみると想像以上に大変で、「肩と腰がつらい!」「疲れる!」と口々に話す子どもたち。
そんな中、小型犬と暮らす子から「小さいワンちゃんの場合はどうしたらいいの?」という質問が。獣医師から、体の小さなどうぶつの場合は胸を指で挟むようにして圧迫すると教わり、真剣に実践していました。
割って、すって、包んで。調剤のお仕事を体験
続いては、どうぶつの薬を準備する「調剤」の体験です。
どうぶつの薬は、体の大きさなどに応じて必要な量が異なります。そのため、処方された量に合わせて薬を分けたり、飲みやすい形にしたりするのも、調剤の大切な工程です。JARVISでは専用の機械も使われていますが、今回はラムネを薬に見立て、昔ながらの方法で調剤に挑戦します。
ピルカッターでラムネを割ったり、すり鉢で粉状にしたりすると、「うまく割れない!」「こぼれちゃう!」と苦戦する声が。
粉にした薬を分包紙で包む作業にも挑戦。きれいに包むのは難しいようで、慎重に作業を進めていました。
最後は手術支援ロボットを操作!
最後に挑戦するのは、JARVISで実際の手術にも使われている手術支援ロボットの操作です。獣医師から操作方法を教わり、輪っかを移動させたり、スポンジをつまんだりする操作に挑戦。
一人が操作を始めると、ほかの子どもたちも後ろから興味津々にのぞき込みます。
うまく操作できると、周りからは歓声が。「楽しい!」という声も上がり、子どもたちは夢中になってロボットを操作していました。
診察から始まり、検査、歯科、救急、調剤、そして最新の医療技術まで。こうして6つすべての体験を終えました。
6つの体験を終えて。こども獣医師を“修了”!
約2時間にわたって、さまざまな獣医療の仕事を体験した子どもたち。
最後には、一人ひとりに修了証が手渡されました。
そして最後に、今日の体験を振り返りながら、それぞれが思いを伝えたい相手へ手紙を書きました。
「将来、犬の命を救いたい」と獣医師へつづった子、「じゅういさんへ向けてがんばっていきたい」と未来の自分へ決意を書いた子。そして愛犬へ、「心臓マッサージを教えてもらったから、もし心拍が止まったら私が助けるね!」と伝える子も。
手紙に綴られた言葉からも、この日の体験で感じたことが伝わってきます。
また、子どもたちと一緒にJARVISを巡った保護者にとっても、獣医療を支える設備を見たり、獣医師の仕事を間近で知ったりする貴重な体験となったようです。
「普段は診察を受ける側なので、獣医師さんの仕事を体験する機会はなかなかありません。私自身もとても興味深くて、やってみたくなってしまいました(笑)」という声も聞かれました。
今日の体験が、未来の小さなきっかけに
JARVISでは、動物病院として高度な獣医療を提供するだけでなく、学びの場として、次の世代につないでいくことも大切な役割のひとつと考えています。実際に、若手からベテランまでさまざまな獣医師が学びに訪れ、大学生や専門学校生などにも学びの機会を提供しています。
今回のイベントについて、獣医師はこう話します。
「今回参加してくれた子どもたち全員が、今から『獣医師になりたい』と決めているわけではありません。それでも、実際に獣医療に触れて、『面白そう』『獣医師ってこんなことをしているんだ』と感じてもらえたらうれしいですね。獣医療の難しさや楽しさに触れた今日の体験が心に残り、将来を考えるときの小さなきっかけになればと思っています」
白衣を着て、実際に見て、触れて、考えた一日。この日の体験が、子どもたちにとって、獣医療をより身近に感じるきっかけになったのではないでしょうか。
