2017.10.22
皆さん、ペットを飼っているご家族の赤ちゃんにはアレルギ-が少ないことをご存じでしょうか。その背景には、私たちのお腹の中に共生している腸内細菌の存在があるのです(※1)。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中では、まったくの無菌状態と言われる羊水に守られています。一体いつから、またどこから、赤ちゃんに腸内細菌が定着するのでしょうか。
その謎を解明すべく、アニコムのパパママ社員が立ち上がりました!
※写真は、当コラムの主人公「けんちゃん」
当コラムでは、赤ちゃんやお母さんの腸内細菌に焦点をあて、赤ちゃんが生まれたときから腸内細菌を見続けることで、人に対してどのような効果が見られるかをわかりやすくご紹介します。
この物語は、2016年10月22日に生まれたけんちゃんとそのお腹の中にいる腸内細菌が主役です。けんちゃんの成長の様子と共生細菌を通して、私たちが健康でいるためには、何が必要なのか健康はどうやって保たれるのかを皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
ここで、そもそも腸内細菌が私たちにどのような影響を及ぼしているのか、お医者さんに聞いてみましょう!
Dr.立川による解説!~腸内フローラってなに?~
皆さん、こんにちは。医師の立川です。皆さんは「私たちの体の中にいる共生生物」と言えば、どんなものを思い浮かべますか?
ヒトやどうぶつの体には、さまざまな種類の微生物(細菌や真菌など)が住んでいます。特にお腹、腸の中には、3万種、1000兆個もの細菌たちが住んでいて、顕微鏡でのぞいてみるとまるでお花畑のように見えるので「腸内フローラ」と呼ばれています。
「細菌」というと、除菌、ばい菌などネガティブなイメージを持つかもしれませんが、腸内フローラをはじめとする共生生物は消化器だけでなく全身の健康に関与するとして、近年精力的に研究がすすめられている分野なのです。
子育て中のパパママを悩ませる赤ちゃんの夜泣きに効果がありそうな菌(Lactobacillus reuteri)も発見されているんですよ。
けんちゃん誕生!腸内細菌は、いつから?
立川先生、ありがとうございます。「菌=悪者」じゃないんですね!? 夜泣きに効果がありそうな菌も興味深いです。
さて、けんちゃんの腸内細菌はどうでしょう。生まれてから1週間の腸内細菌の菌種数のグラフを見てみましょう。1日目は、けんちゃんがママのお腹の中で飲んだ羊水や腸液などの胎便から採取した腸内細菌です。
けんちゃんの胎便は緑色で無臭でしたが、1日目から腸内細菌はお腹の中にいるのですね。羊水は無菌状態と言われているので、少し驚きです!
次回(11/22)は、生後1週間のけんちゃんの腸内細菌をもう少し詳しく見ていきます。一般的に良い菌とされるビフィズス菌や乳酸菌はいるのか? 大腸菌は? 他にも皆さんがご存じの菌の名前は挙がってくるでしょうか? どんな菌がいるのか、楽しみです。
記事:豊田真紀(アニコムママ社員)、宮本亮太朗(けんちゃんパパ)、立川亜理沙(医師)
監修:医師・医学博士 星旦二