実は砂漠のギャング!?ミーアキャットってどんなどうぶつ?生態や特徴を紹介

by 佐藤華奈子 2022.07.22

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アニメのキャラクターから広く知られるようになったミーアキャット。ピンッと背筋を伸ばして立つポーズが有名な小動物です。でも有名な立ち姿以外は、生態も特徴もよく知らない、という人も多いのでは。そこでミーアキャットの知られざる姿を紹介します。


猫じゃない! ミーアキャットの特徴

ミーアキャットはマングース科の仲間。名前に「キャット」とつきますが、猫とは何の関係もありません。英語では「meerkat」というスペルで「cat」ではないのです。「meerkat」はオランダ語のサルの名前に由来しているといわれています。この名前は「湖」と「猫」を組み合わせた言葉に由来するともいわれていますが、なぜこう呼ばれていたのか詳しいことはわかっていません。学名はSuricata suricatta。海外ではここから「Suricata」と呼ばれることもあります。


体色はベージュや黄褐色で、目の周りと耳が黒く、背中に縞模様があるのが特徴です。細身の体型で顔の先がとがっています。体の長さはおよそ30㎝、尾の長さは20㎝ほど。体重はおよそ600~900gくらいです。野生ではアフリカの南の砂漠や草原に暮らしています。肉食よりの雑食で、虫(カブトムシやイモムシ、クモ、サソリ)や爬虫類、鳥や卵、小型のげっ歯類、果物などを食べています。


団結して生きる野生のミーアキャット

野生のミーアキャットは最大で40頭ほどの群れになり、地下に巣穴を掘って生活しています。巣穴はトンネルと部屋がつながり複雑な構造になっています。


昼行性で日中に活動します。寒い砂漠の夜が明けると、巣穴から出て後足で立ち、お腹の黒い肌に日光を当てて体を暖めます。それから活動したのち、もっとも暑くなる正午前に再び巣穴の中へ。ここで休憩して暑さをしのぎます。地表の温度が38度のときでも地下の巣穴の中は23度ほどで、快適に過ごすことができます。


ミーアキャットの行動で目を見張るのは、群れの団結力。協力して天敵を見張り、子育ても群れのメンバーが手伝います。食事を探すときは必ず何頭かが見張りにつき、有名な立ち姿で天敵の猛禽類やジャッカルを警戒します。天敵が近づくと大声で仲間に知らせ、一斉に巣穴の中へ逃げます。


メスは1年に1度出産し、2~4匹の赤ちゃんを産みます。子どもが生まれると若いオスや子どもを産んでいないメスなど群れの仲間がベビーシッターとなって育児を手伝います。赤ちゃんのうちは巣から勝手に出てしまわないように見張り、離乳が始まると子どもたちに食事を運びます。やがて子どもたちが巣から出て食事を探すようになると、探し方や天敵を警戒する方法を教えます。そして危険が迫っていることが知らせられると、子どもに覆いかぶさるか、安全な巣穴へ誘導します。


群れのつながりをみると、とても社交的でやさしいどうぶつだと思われるかもしれません。しかしミーアキャットには「砂漠のギャング」「暴徒」という二つ名も存在します。その名の通り気性が荒い面があり、別の群れと出会うと縄張りを巡って激しい抗争になることも。天敵にも最後まで威嚇して抵抗しますが、同じミーアキャットが相手でも容赦なく闘います。単純に小さくてかわいいだけではすまない、ワイルドな一面もあることを忘れてはいけません。


活発で大人気!動物園のミーアキャット

 

ミーアキャットには全国各地の動物園で会うことができます。活発でよく動き、あのピンと立つポーズも見られることから、動物園でも人気者です。仲間同士で毛づくろいする姿やじゃれ合って遊ぶ姿も見られます。並んで日光浴をする姿やみんなで同じ方向を見ている姿、集まって昼寝をする姿など、ミーアキャットならではのチームワークも見逃せません。ちなみに動物園では虫(コオロギやミルワーム)や鶏肉、馬肉、野菜、果物、ペレットなどを食べているそうです。


ミーアキャットは家で飼える?

ミーアキャットをペットとして飼う人もいます。日本でミーアキャットを飼育することは違法ではありません。ですが飼育の歴史は浅く、飼育方法もまだ確立していないのが現状です。野性味が残っているので、生態などを理解しないと家庭で飼うのは難しいでしょう。具体的な飼育の難しさとして、次のようなことがあげられます。


・人間に対して攻撃的になることがある

懐いている姿を思えばとてもかわいらしいですが、慣れるまでに時間がかかります。気性が荒いこともあり、慣れないうちは鋭い歯で飼い主に噛みつくことも。無事に飼い主や家族に懐いた後も、知らない人のことは変わらず警戒します。家を訪ねてきた人に攻撃的になることもあります。


・鋭い爪でものを掘り起こす習性がある

野生では鋭い爪で穴を掘って獲物を見つけて食べています。飼育下ではこの本来の行動をとることが難しいため、ストレス解消にカーペットやフローリング、家具を掘ることがあり、爪で掘った傷が残ることになります。


・仲間がいない状態がストレスに

群れの仲間で協力して生活するのが普通なので、仲間がいない状態はストレスになります。飼い主が仲間になってフォローするにしても、1日中いつも一緒、というのは現実的ではないでしょう。ミーアキャットが孤独からストレスを抱えると自傷行為をすることがあるため、充分な配慮が必要となります。


・においが強い

肛門付近に臭腺があり、繁殖期のオスはきついにおいを出します。自分のにおいを縄張りにつける習性もあるので、室内の壁や家具にもにおいをつけられることになります。何度も同じ場所に臭腺をすりつけることで、その部分が茶色く汚れてしまうこともあります。


・ケージの中に長時間いられない

野生のミーアキャットは行動範囲が広く、獲物を探しながら1日に何キロも移動することがあります。家庭で広大な行動範囲を再現することは難しいでしょう。当然、1日のほとんどをケージの中で過ごすことはできません。放し飼いが基本になりますが、トイレを覚えてもらうことはあまり期待できません。


このほか、診てもらえる動物病院が限定されているという問題もあります。ミーアキャットも病気やケガをします。どうしても家庭に迎えたいと思うなら、あらかじめ動物病院を見つけておく必要があります。ですが、診てもらえる動物病院が限られている以上、必ずしも家の近くで見つかるとは限りません。


まとめ

ミーアキャットはかわいらしく、活発で群れの仲間の結束が強い魅力的な小動物です。ですが、その生態を考えると家庭で一緒に暮らすことには相当の覚悟が必要です。体は小さくても、広大な砂漠の広い範囲で、大勢の仲間と暮らす壮大な生き物なのです。幸い、ミーアキャットは多くの動物園で飼育されています。実際に会いに行ってその魅力に触れてみませんか。

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