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タスマニアデビル

どうぶつニュース

タスマニアデビル

獲物の骨まで食べつくす、森の掃除屋。

伝染病で減っていく生息数

名前だけ聞くと、どんなに怖いどうぶつだろうと想像してしまいますが、外見は体長50~60cmほど、まるで小さなクマさんのようにキュートな容姿です。有袋類なので、カンガルーのように育児嚢を持っていますが、四足歩行で土を掘る習性があるので、袋に土が入らないように後ろ向きになっているのが特徴的です。

「デビル」と呼ばれるようになったのは、夜になると悪魔のような恐ろしい唸り声をあげることから、初期のヨーロッパ入植者たちが名付けました。

近年、彼らの間で顔に腫瘍ができる伝染病が広がり、生息数が減ってきています。

そこで、タスマニア州政府は、2003年に「セイブ・ザ・タスマニアデビル・プログラム」をスタートさせ保全活動に取り組んでいます。

その活動のひとつに、海外の動物園が彼らを譲り受けて飼育するというプログラムがあり、アジアで唯一、譲り受けたのが多摩動物公園(東京都日野市)なのです。同動物公園が飼育している2頭はともに女の子で、2016年6月11日から一般公開されています。

産まれてすぐにサバイバル

タスマニアデビルは、肉食性で口に入るものはとにかくなんでも食べます。小型のどうぶつや昆虫、そして死肉、つまり死体もガツガツ食べてしまいます。その食性から「森の掃除屋」の異名があるほどです。顎の力が強靭なので、獲物の骨もバリバリと噛み砕いてしまいます。

彼らの繁殖のスタイルがまた驚異的で、雌は米粒ほどの小さな胎児を一度に20~40頭産みます。しかし、育児嚢には乳首が4つしかないので、生き残るのは過酷なサバイバルに勝ち残った4頭だけなのです。

赤ちゃんは育児嚢で4カ月過ごすと成獣そっくりの姿かたちに成長し、育児嚢から出てきます。それ以降は、顔を突っ込んでお乳を飲みますが、二度と袋に戻ることはありません。8カ月までには完全に親離れをします。

多摩動物公園にいる2頭は、今年5月1日で4歳になりました(2017年6月5日現在)。サバイバルに勝ち残ったたくましい女の子たちです。名前はマルジューナちゃんとメイディーナちゃん。機会があったらぜひ、会いに行ってみましょう。

【タスマニアデビル】
Scarcophilus harrisii 有袋目フクロネコ科
オーストラリアのタスマニア島だけに住む。現生で世界最大の肉食有袋類。
シッポに脂肪を貯めることができ、栄養状態の悪い個体はシッポが細い。
1996年に報告された「デビル顔面腫瘍性疾患」の発生によって、個体数が減少してきている。